01.「喧嘩編」ミラ&マベ 初対面

(イシスアセト、誰にも見つからないとある店の中。)

ミラ「今度さあ、行方不明になった魔術師の売買があるって。あれと無関係じゃないよ、その筋の人から仕入れた話だから。(金髪にオッドアイ。フリルシャツに細身のパンツ。足を組んで、頬杖をついたまま話しだした。)」

ゲラルト「そうか。いつ、どこでだ?」

ミラ「その辺は今から裏取りするから、ちょっと待っててくれる?わかったら連絡する。 もう結構経つのにしつこいよね。大きい組織だからなかなか消えきらないね。」

ゲラルト「……時期が近づいているからな。国外からの人の出入りが増える時は必ず動きがある。国外からの渡航者に影響がないといいが」

ミラ「あぁ、建国祭?そういえばさ、建国祭の時も―――」

ゲラルト「(し、と人差し指を口にあてて。)……迂闊なことを口走るな、ミラ。」

ミラ「……………ごめん。(しばらく黙って店の奥を見て)大丈夫、気付かれてない。 アレのときに怪しい動きがあるみたいだけど、まだ全然情報掴めてないから諜報パパ活(???)続けてみるよ。」

ゲラルト「……。(またそんな危ないことして…みたいな目してる)」

ミラ「(それを意に介さない悪党笑顔)別口で美少女の売買があるらしくてさぁ、そっち行って金持ち変態おじさんから情報仕入れてこよっかな。ついでに好みの美少女いたら買おうかな~(笑) あ、隊長も行く?」

ゲラルト「管轄外だ。」

ミラ「相変わらず冷たいヤツ。市民の安全とかアレとかをアレするのが仕事じゃないの?」

ゲラルト「私は管轄外だが、別にその要員がいる。け……あの時期に向けて、情報を欲しがっていた。」

ミラ「(迂闊なこと言いかけたのを見て、ニヤリと笑った)そうなの?じゃあ、美少女売買の情報はそいつに売ってもいい?」

ゲラルト「有償か?さっき私には言おうとしていただろう。」

ミラ「え…、無償なわけないじゃん……。隊長とは目的が同じだから話してあげてるだけ。私の利益にもなるからね。」

ゲラルト「いや、だとすると……。(少し悩んで) 代わりに私が支払えば話すか?いくらだ。」

ミラ「さっすが~!話がわかるねえ、隊長様♡ 私、お金もってる男って大好き♡ ……いくら出せんの?私もリスクあるんだよね。まず参加の招待状を奪わないとだしー」

ゲラルト「金額の交渉は後だ。その情報の信憑性について疑問がある。 …私が支払いを拒むとも思わないだろう?」

ミラ「安く買い叩かないでよ?アンタはその戦闘力と金持ってること以外に取り柄ないんだから。最低でもこれくらい。(指を何度か折って、何らかの数字を示した。) ……いい?」

ゲラルト「(返事をするかわりにふいと視線を逸らした。)場所は追って連絡する。恐らく、お前も知っている人物だ。」

ミラ「そうなの? んー、招待状2つ手に入れるのは難しいし、私は出品される側に紛れこもうかなぁ~。愛人役でいけるかな?どっちがいいと思う?」

ゲラルト「私に聞くな。……ミラ、あまり危険な真似はするな。お前は前科が……」

ミラ「うっさいな。あんま干渉しないでくれる?(とん、と椅子から降りて) また連絡するから。じゃあね。(そのまま店の外へと消えていった。)」

(イシスアセト、とある酒場。裏路地を入ったところにあり、お世辞にも治安は良くなさそうな雰囲気。店内はそれなりにひとがいてざわついており、互いがどんな会話をしているのかは聞こえそうにない。)

(扉が開いて誰かが入ってきた。なんとなく室内の空気が動いた気がしたかもしれないが、外気が入ってきただけだろう。
 入ってきたのは、黒眼鏡をかけ、黒ずくめの服を着た男だった。薄汚れたような茶髪で、目つきはあまり良くない。誰かを探しているような素振りを見せている)

ミラ「(胸元の空いた白いブラウスに、青いスリットの入ったマーメイドスカートを履いている。明らかに場違いなお嬢さんという感じ。ちら、と入ってきた人を見て、1度だけにんまり笑った。)…なるほどねぇ。確かに知ってる人だ。」

マベ「(入口からそれなりに遠いはずなのにミラの声が聞こえたのか、顔をそっちへ向けて近付いてきた。) …あんたがそうかい?」

ミラ「(ふ、と一度短く息を吐いて、お嬢さんらしくにっこり笑った。) こんばんは。ええ、そう。私が彼の言ってた情報提供者。…こんな風な女だとは思ってなかった?」

マベ「んーにゃ。どんなやつが来ても驚かねえよ。(後頭部を掻きながら、無遠慮に向かいの席に座る。)あんたはどうなんだよ?俺のことは聞いてンだろ。」

ミラ「あの人が余計なこと喋るとも思えないでしょう? こんな風に誰かを紹介されるのだって初めてで、私は驚いてるんだから。さ、おにーさんは何飲む?(ミラは既にグラスを持ってて、赤いお酒らしきものが注がれている。)」

マベ「違わねえ、必要なこともたまに言わねえからなあの人(ニヤリと口の端で笑った。)
あー俺ね、(ぐるっと椅子ごと身体を回転させ)ねーちゃん!ここでいっちばん高い酒持ってきて!ボトルな!(そのあたりにいた給仕の女に注文した。)あんた、追加は?隊長の金だから遠慮すんなよ。」

ミラ「…随分信用されてるんだね。(一連のやり取りを少し驚いたような顔で見て)っふふふ、やるじゃん。嫌なこととかどうでも良くなってきちゃった。 私は、まあ…いいよ、そのうちね。ミラって呼んで。仲間内からはそう呼ばれてる。(じ、と見た。)」

マベ「ハ、勝手に上司サマの金で酒飲もうって言ってる奴が信用されてんのかねえ?(面白そうに目を細めた。)なんだ、ここに来る途中でナンパでもされたか? 俺はマベだ。普段からこういうところをうろついてるが、見たことねえか(ミラの視線を知ってか知らずか、黒眼鏡の奥から見つめ返した。色の良くない白目をしているが、瞳の動きに異常は無さそうに見える)」

ミラ「ナンパ程度で嫌になってたら生きていけないし…。食事5万だったはずなのにさぁ。お金も貰い損ねるしちょっとヤケになってた。(グラスを持ち上げて、だからここで先に飲んでたんだよって感じで。) 名前は知ってる。どういう人なのかは、……偏った情報なら持ってる。仕事の中身までは知らなかったけど、そっち関係なんだね。(何度か瞬きをしたあと、ふと視線を逸らした。)」

マベ「そりゃ相手が一枚上手だったな(詳しくは聞かないが、大体想像がついているような顔。ちょうど給仕が酒を運んできたので視線がはずれた。立派な酒瓶から手酌でグラスに注ぎ) お?一応本人の前で配慮してる感じ?甲斐性なしのボンクラ野郎って呼ばれてんじゃねえの?(グラスを片手に、軽く乾杯の仕草。)」

ミラ「違うよ、相手が常識ないエロオヤジだっただけ。(ふぅ、と短く溜息。)私だって一応初対面の人に配慮するくらいの心は持ってる。誰になんて言われてたかは黙っててあげるよ。 (乾杯の仕草にちゃんと合わせた。少し首を傾げながら笑った。すごく仕事感のある笑顔。) …で。美少女売買に興味がおありで?」

マベ「(溜息をつくミラにふっと笑みを漏らした。)そうかい。ま、大体検討はつくからいいわ。(すげえビジネス感の伝わってくる笑顔だなと思いつつ、グラスに口をつけた。) おう、大アリのアリアリよ。ジャンル不問、でかい会場から個人取引まで幅広〜く受け付けておりますってな。」

ミラ「(お目目ぱちくりさせて、またじっと見た。)ん~……? えっ念の為聞いとくけど買うほうでも売るほうでもないよね??取り締まる側であってる???」

マベ「今さら何だよ?隊長から聞いてンだろ?必要がありゃ女衒のフリでも客のフリでもするけどな。(治安の悪そうな顔で見つめ返した。) …それで?お前さんの握ってるネタは?」

ミラ「なんか今日あって見たらちょっと自信なくなっちゃって(笑) 今回のは適当に女の子売って太客見つけといて、次、建国祭の裏でやる大規模なオークションに招待するって算段だと思う。泳がせとくのもアリだと思うけど、それはマベさんのやり方に任せるよ。私は金儲けと情報収集に行くだけだから。(足を組み直して、頬杖ついて。)」

マベ「おいおいどういう意味だよ。ウライオスは全員隊長みたいな人間だとでも思ってたか?(可笑しそうにグラスの中身を飲み干した。)なるほどねェ。まあいつも通りっちゃいつも通りだが、そろそろ徹底的に潰したいんだよなァ。(二杯目を注ぎ)毎回毎回、国挙げての行事の裏でコソコソやられるのにいい加減飽きてきちまってさ」

ミラ「アレのほうがレアケースなのはわかってる、けど、……。(今度は少し首を傾げた。つられて自分もグラスを空にしてしまう。)建国祭のほうは今回かなり大規模にやるらしいよ。そっちは私の本命でもあるから気合い入れていくつもり。 今回の前哨戦、は、これ。(ぺらっと2つ折りの厚紙を取り出した。はずみで落としそうになって、両手で挟んでキャッチ。)」

マベ「(二杯目を飲み干した。)……けど、何。(じ、とミラを見た。)本命ねェ、…っと……、(落としかけた紙を両手でキャッチしたのを見て睨むように目を細める)おい。酔ってんのか?気をつけろよ。」

ミラ「いや?何でもない。 建国祭の方は単なる変態おじさんだけじゃなくて、えーと。まあ、そっちは隊長も行くんじゃない?(明らかに誤魔化した。)酔ってるように見えんの?招待状は1枚しか手に入らなかった。……今日、ちょっと無理すればもう1枚掠め取れたかもしれないんだけど。仕方ないね。」

マベ「そうかい。(三杯目。)……ふーん。隊長が行くなら、俺の出る幕は無ぇかな。(半分ほどになったグラスを指で掴むようにしてゆっくり回す)あんた、よく初対面の俺にバカ正直に話すな。そこはもっとカッコつけていいんだぜ?一枚ありゃ十分だ。」

ミラ「それはあの人が決めることだし、私は知らない……っていうかさ、そのペースで大丈夫?……美味しい?(ぺらぺらっと紙を動かして)隊長の頼みだから多少無理してやってんの。え?無理やり奪い取るとかやめてね。」

マベ「あんた、あの人とよほど仲が良いんだな。…あー。考え事してるとペースが早くなるんだよ。酔わねえから安心しな嬢ちゃん。(言いながら目の前で動いている紙のほうを見ている。)なに、その一枚ってのは誰の分?」

ミラ「仲がいいってわけじゃないけど。何だろ…………まあ、ビジネスパートナーかな。 (動かすのをやめて、)質問の意図がわかんない。私の分だけど? どうしてもって言うんなら方法は無くはない……商品のフリか愛人のフリかどっちがいいと思う?(へらへらっと笑いながら。あまり目は笑っていない。)」

マベ「自分の知り合いを俺に紹介してくるなんて滅多に無いんだよ。まあ今回のは需要と供給の一致が大きいんだろうがな。(グラスをことりとテーブルに置いた。)おいおい、金だけ払わせといて肝心なとこはそれか? ……………、(目を細めた。一瞬、店内の空気がざわついたような感覚があるかもしれない。)………俺についてこれんのか?あんた。」

ミラ「だから信用されてんだねって言ったじゃん。(ふーって大袈裟にため息ついて)あのさあ、カッコつけて言うのいいんだけど、そもそも金払ってんのアンタじゃないし全然キマってない。 私を襲って無理矢理奪う気? あんたも結局そういうヤツなんだ。……まあ、別にいいけど。好きにすれば。(ふと目を伏せ気味にして、手のひらをテーブルにつけるようにして招待状をパタリと置いた。)」

マベ「そのうちちゃんと返すよ。たぶんな(白々しく視線を外し一口酒を飲んだ。)
……は?お前が誘ったんじゃん、商品と愛人どっちのフリがいい?って。二人でお手々繋いで敵の懐に潜り込もうって話だろ?それはいいけど、モタモタしてたら置いていっちまうぞって話だよ。」

ミラ「それ、絶対返さないやつ。(つんつん、と自分の空いてるグラスつついた。注げと。) ……え。その提案ふつう乗らないと思うし、私なら相手ボコして奪ってたけど。(また首を傾げた。)……変な人。(そのまま、すっと手のひらを前に。目の前に招待状が差し出される。)」

マベ「(へっへっと笑いながら酒瓶を取りグラスに注いでやる。)鬼みてえな上司に紹介された情報屋ぶん殴ってどうすんだよ?俺には女をいたぶる趣味は無えし、商売女にしか手は出さねえから安心しな。(差し出された招待状に目を向けた。)…俺が持ってていいんだな?後でやっぱやめた、はナシだぞ。」

ミラ「それもそっか。その上司は人をいたぶる趣味あるのにね。私も何度かされそうになってるし。(さっきすごいペースで煽ってたの見てぐっと飲んだ後、うわって顔した)……ちょっと、本当に大丈夫なのこれ…。 後でやっぱやめたって言わないように、渡しとくの。私は気が変わりやすい、……から、……。(急に黙った。ふ、と視線がどっかに行く。)」

マベ「容赦ねえからなぁ(さっきからの笑い方とは違う笑みを見せ)…なに、あの人になんかされたのか?(グラスに残っていたものを煽り、手酌でまた注ぎかけて)大丈夫だろ。きっついが混ぜモンはしてねえようだし。 …ふーん、そこはプロ意識ってやつか?とりあえず作戦としてはあんたと俺のペアで…肩書は、……。おーい。酔ったか?(ミラの眼前で手をひらひらさせ)」

ミラ「んー出会った頃は色々ね。刀抜かれたことあるよ、あの、文字通りの意味でね?(少し目を細めたあと、ちみちみ飲み進めて。)人の金で飲む酒はおいしいけどね~。 (は、と顔みて。)へ?あぁ、ごめん。ちょっと考え事っていうか…別のもの見てた。 肩書きは…別になんでもいいけど。都合のいいように設定してくれたらそれなりの格好していくから……」

マベ「おいおいまさかの下ネタかよ?わかってるって。…わかってるって…(肩震わせてる。ウケたらしい。)別のモノ見てねーで俺のほう見とけ、あの人にゃ負けるがこんな酒場じゃ珍しいくらいのイケメンなんだからよ。まあそうさなァ、年格好で考えるなら俺は客であんたはその女ってのが自然か。イヤなら別の案にするけどよ?」

ミラ「やだー、ナニとは言ってないし~。(ふふ、とつられて初めて普通の人らしく笑った。)何それ、自分で言う?まあ別に…(少し前のめりになって、顔を近づけた。)ヤじゃないよ。イケメンだし連れて歩く価値はある。……マベさんさぁ、彼女いないよね?大丈夫?」

マベ「(耐えきれずに笑い出した。)おま、ゲラルトさんがンなことするわけねえだろ!?それをさぁ、そこらの奴と一緒みたいに言うからよォ……!………あー(ひとしきり笑って、だんだん普通の笑顔になったところで顔を近づけられた。)そうだろ?もっと褒め称えてくれていいんだぜ?だーいじょーぶ!恨む男はいても恨む女はいねえから!俺のこと知ってるなら、色恋沙汰はあんたの知ってるそれが全てだよ。」

ミラ「うーん。アンタにはそういうとこは見せないんだろうね。(前のめりのまま、ぺたりと両手をテーブルに乗せて。)あー……うん、それならいいの。私、そうと決まったら徹底的になりきるから、逆に嫌ならそう言って。(急にぴと、と人差し指をマベさんの唇に押し当てようと。ちょっと黙っててね、とでも言いたそうな。) 」

マベ「そりゃそうだろ。別に、見たいとも思わねえし。それよかカワイコちゃんがたーくさん見た、ぃっ!?(急に指を押し当てられた。)…………………??(なんのつもりだ、と指先とミラの顔を交互に見つめる)」

ミラ「他の子なんか見ないで、私のこと見ててよ。(にやり、と笑ってから、ふと目を伏せる。少し不快そうな顔をしたような気がする。)……ちょっと酔ってるかも。(その手を離して、不意に片手で手首をつかむ。)ねえ、場所変えよ。さっき入ってきた客、こっち見てる。私が来る前は”この席に座ってたみたい”だし、変じゃない?」

マベ「……言うじゃねぇか。(また口の端で笑った。)あーぁ、悪酔いか?水も飲んどくんだったな。(一連の動作の間も視線はミラの顔から外さない。)はあ?…………。…………。………よし!二人きりで飲み直そうや。俺も結構イイ感じになってきたしな(がたんと大きな音を立てて立ち上がった。足元がなんとなくおぼつかない。)」

ミラ「あれ?あの人…私のことも何も話してないんだ?まぁいいや。(立ち上がったのを見あげて)つけられてたのかな。ただのストーカーなら別にいいんだけど。……そうだね。もうちょっと打ち合わせしときたいし2人きりになれるとこ、行こっか。」

マベ「なんか話してたっけなぁ?あの時も飲んでたからうろ覚えでよぉ(ふらつくのをテーブルに手をついて押さえたような格好になり。)ストーカーねえ。お前、俺の前に会った奴の時と同じ格好して来たのか? …ま、向こうさんから声かけてきたらそんときゃそんときだな。(顔を上げ出入り口の方へ身体を向けた。)」

ミラ「私との会話も後から酔ってて覚えてないとか言わないでよ? (こく、と頷いた)だって着替え持ってきてないし。あ、ちょっと待って、(当たり前みたいに腕を掴んで立ち上がろうと。10cmはあるだろうハイヒールで、本当に酔ってるのかと思うほどしゃんとしてる。)」

マベ「どうだかな〜。本番はこれからだしな?( 本 題 。)……次は相手ごとに服を換えな。つけられると厄介だぜ。(低い声でささやいた。) おいおい…よくそんなんで歩けるなあ。(掴まれたまま待っている。マベのほうは見た目は酔いが回っているようにも見えるが、ミラの体重がかかってもしっかり支えている。)」

ミラ「本番て言い方どうなの?今日、飲みに来たわけじゃないんだけど。(む。とちょっと不機嫌そうな顔。)今日はそもそも先約が罠だったのかも。話に乗らなくてよかった。何か、……おかしい。 ねえ、置いてかないでよ、絶対。(ぎゅ、と掴んだ。酔っているからなのか、何だか声色が違ったような気もする。その言葉はお願いと言うより命令に近い。)」

マベ「悪りぃ悪りぃ。…ったく。あくどい商売のためにここまでやんなら、最初ッから真面目に働けってンだ……なァ?(ミラとは別の理由で一瞬不機嫌そうな顔を見せた。) …置いてくわけねえだろ。大事な商売相手だぜ?……ま、向こうさんが襲い掛かってきたら俺の後ろに隠れてな。全員秒でぶっ飛ばしてやっから(声色の変化にミラのほうを振り向き、おどけたように小さく笑う。目は笑っていない。)」

ミラ「やば…、ごめん、やっぱちょっと酔ってる。制御が効かないや。 (じ、と見て様子が変わらないのを確認してから、悪女らしい満足気な顔で笑って)ふふ、そう来なくちゃ。存分に利用させてもらうね♡ さあ、つまんない話は終わり!どこ行く?」

マベ「俺は気にしねえけどよ。見られんのが嫌なら服貸すぞ(?) ……あー、楽しそうなカオしたねェ?んじゃちょっと行った先の俺の馴染みんとこにすっか。あそこなら会員制だから邪魔は入らねえ。高いぞー?(へへへ)」

ミラ「あ、そーゆーの要らないですぅ……。(急にスンッてテンション下げた。)また人の金使おうとしてるでしょ。まあ何でもいいけど。そっちが誘ったんだから(?)、ちゃんと楽しませてよ。」

マベ「なんだよ吐きそうなんじゃねえのか?俺見えねえから遠慮すんな(ちがう)人の金で飲み食いするのは楽しいんだろ?(ニヤッと笑って)おう。そこならあんたも面白い話が聞けるかもしれねーが…まずは酔い覚ましからだな。歩けるか?」

ミラ「マベさんさぁ、そういうのほんとモテないからやめときな?(心底呆れた顔…)私つついたって面白い話出てこないけど、まあ、今後の振る舞い次第では話すかもね。 えーっ、歩けなーい♡……って言ったらお姫様抱っこでもしてくれんの~~?……しないでしょ。早行こ(表情をころころ変えながら。ちょっとテンション変かもしれない。)」

マベ「うっせえなーよく言われるわ。こっちゃ心配してやってんのによォ?(訳が分からないという顔…)振る舞いねぇ。なにはともあれ、まずはコレの成果次第だろ。(いつの間にか胸元にしまっていた紙を指先で少しだけ見せて。)……………、…………危なっかしいな。(ぽつりと、独り言。) 転ぶんじゃねえぞ?(自分の腕を顎で指す。つかまっておけよと。)」

ミラ「心配してやってるとか、そういうのが要らないって言ってんの。私そんなか弱い女に見えんの……? (ちら、と目線をやっただけ。)私は国家公務員(笑)の成果には興味無いし、もしわたしが危ない目にあった時の保険になってくれればそれでいい。万が一にもないとは思うけど。(むぎゅ、と遠慮なく腕を掴んだ。作り物のお胸があたっているかもしれない。)」

マベ「俺は霊長類最強の女だって心配するぜ?(??)そうか?俺が見事ミッションコンプリートすりゃ、安くはないお給料が支払われんだぜ?そしたら一緒に潜った仲のあんたに飯のひとつでも奢ってやれるし、今後も仕事上のお付き合いが続くかもしれねェだろ? …おっ、と。(よろけたりはしないがちらとミラの胸元に目をやった)……なあ。後で下品なこと聞いてもいいか?(…。)」

ミラ「言っとくけど、私はあんたらの年収レベルのお金を一晩で変態おじさんから巻き上げるつもりだから。 まあ、でも、……奢りには乗ってやってもいいよ。(目線に気付いて舌打ちした。)答えるかどうかは知らないよ。そういうのは、もっと私を酔わせてからにして。」

マベ「(面白そうににやりと笑う。)…へー、それはそれは。俺ら法の下で働く国家公務員にはできないお仕置きをしてくださるとは、なんとも胸のすく話じゃねえか。 いや舌打ちすんなよ、そんな格好しといて。酔わせないといけないような際どい話じゃねえんだけどな…あくまで一般論っつうか…」

ミラ「えぇ……?すぐ人殺すくせに。 はいはい、そうですね、こんな格好で胸強調して歩いてる私が悪いんですね、 ……知らない。(するっと腕を離して、先に歩いて行ってしまう。)」

マベ「毎回全員あの世行きにしてるわけじゃねえよ。俺みてぇな任務は特に、殺しちまうと次の…、……。(何か言いかけたが口を噤んだ。) 急に情緒不安定になったな…、おいおい道わかんねえだろ?一人で先に行くなよ。(当たり前のように支払いもせずに席を離れる。ミラを追うにしてはゆっくり歩くが、見失うことはなく後をついていく。)」

ミラ「怒られるようなこと言うからでしょ。ばか。(一度も振り返らずにそのまま出口に歩いていく。)」

(ミラが歩いていくのを何人かが目で追った。席を立とうとした人もいたが、後ろからついてくる人を見て思いとどまったのか、誰も声は掛けずに静観した。 )

ミラ「……びゃっ!!!(その後、店の外、姿が見えないがよろけてコケたらしい音が聞こえた……。)」

マベ「………。悪かったって…(頭を搔いた。バツが悪そうな顔をしてゆっくり歩いていたが、出口の前まで来ると急に店内を振り返った。)  …………、(ミラや自分を目で追っていた者、席を立ちかけた者を、順繰りに黒眼鏡の奥から見ていく。その表情は先程とは打って変わって…) ……ああ?オーイ!大丈夫かー?(外の物音に再び背を向け、間の抜けた声を掛けながらドアを開け出て行った。)」

(一瞬、店の空気が変わった。鋭い風が、客達の間を吹き抜けていったような。
単にドアを開けたときに吹き込んだ風だったのかもしれないが……それはすぐに喧騒に掻き消されていった……)